ヨウム本


アレックスと私

 先日市川で飲み会があった時に、集合時間まで本屋をぶらついていてつい買ってしまいました。

 インコやオウムを飼っている人なら知っている人も多いヨウムのアレックス、そのアレックスと鳥の学習プロセスについて研究発表をしていたペパーバーグ博士のアレックスとの出会いから別れまでの本です。

 ヨウムよりはるかに小さいセキセイインコでさえ知性があることを鳥飼は知っていますが、それを科学的に証明するとなると厳格な方法で膨大なデータを取り、分析し、論文にしなくてはなりません。

 この本で面白いのは、その論文作成の過程で漏れてしまった実験の枠を飛び越えてしまったエピソードに、博士でさえ驚くようなヨウムの知性が発揮されているところです。

 それから日本人にとっては割と当たり前の「一寸の虫にも五分の魂」がキリスト教世界では本当に無きに等しく、よって、『鳥に知性なんて無い』という世間の偏見に囲まれて奮闘する博士の姿が驚きでもあり、つい応援したくなります。

 50年から80年生きると言われているヨウムが僅か30年でなくなってしまったのは本当に残念です。きっと実験によるストレスがあったのだと思います。でもアレックスによって鳥の凄い知性が科学的に証明されたことで、飼われている鳥の環境が向上したことは間違いないので、鳥界に貢献したVIBとして記憶されることでしょう。

 幸いに優秀な後継ヨウムもいるようですので、博士の更なる研究にも期待したい所です。