父の実験料理

 前の記事の汁物で父の料理のことを思い出したので忘れないうちに。

 父は海外に出かけると、現地の人がいく店に行ったり、現地の人のお宅にお邪魔して家庭料理をごちそうになることにしていたらしい。そして現地の市場でしょっちゅう怪し気なスパイスなどを買って来ていた。

 香菜がいまのようにスーパーに並んでいなかったころ、香菜の種、つまりコリアンダーを袋イッパイ買ってきて庭に撒いたり。←その後、芽をだしたシャンサイは全部ばあちゃんに抜かれました。

 何となく家にいる休みの日など、父はよく思い立って料理を作っていた。近所のスーパーで何やらごちゃごちゃと買ってきて、まわりにあれこれ手伝わせながら剥いたり、切ったり、炒めたり大騒ぎしながら作業する。レシピがないので味見をしながら、もうチョッと何か足りないと戸棚をかき回して怪し気なものを足してゆく。
 自分が味に納得すると、今度は娘や妻にも味見をさせ、美味しいと言ってもらえると大満足。

 娘たちもサラダなどつくってテーブルをセットしディナーの始まり。
 みんなワクワク、父特製の料理を口に運ぶ。「あれ??さっき味見したときとなんか違う!!変な味!」
 父の顔を見ると、何かもじもじしている。娘三人でジーッと見ていると、「実はあのあと思い付いて○○を足した。」「なんでそんな事するのよ。サッキので美味しかったじゃない」「いやあ、どんな味になるか試してみたくなった」しかし、父はいつも料理を大鍋一杯つくるので、先ほど味見した美味しい味を思い出しつつ、チョッとなんとも言えないへんてこな料理を食べることになってしまうのでした。

 「実験したいときは小鍋に分けてそれでやればいいのよ」アイディアが浮かぶと娘のアドバイスをいつも忘れてしまう父でした。

 もちろん、確立したレシピにそって美味しい料理を作る事も多く、軟骨スープや茸スープをつくるというと何十人もお友達が来てくれてわいわい食事したものでした。

 そういう料理を御存じの方には、父の実験料理の凄まじい味は信じられないかもしれないですね。

 思い出せる凄い料理 (例)

 美味しいシチューにカシューナッツをミキサーで砕いていれたらドロドロに分離した。カシューナッツのツブがごつごつして滑らかさも無し。

 スープに大量に辛いスパイスを投入。見た目はコンソメだが激辛でむせてしまい飲めず。
 
 その他多数。最後に強烈なスパイスを投入して全てのバランスをぶち壊すという失敗が多かったように思います。

 でも父のおかげで大抵の料理には興味をもッてチャレンジ出来るし美味しいものを作る事も出来る大人になれました。

 お父さん有難う!